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近 況 報 告(2005年9月21日)
 最近、事務所事件は民事、個人事件は刑事という色分けになっています。近頃、終結した事件は、当番で受任した刑事被疑者弁護だったのですが、無事、勾留請求却下で起訴猶予となりました。被疑者の方は、私よりも給料を貰っている金融マンでした。彼の接見は、金融マンらしく、「何をすれば自分の利益になるのか、私選と国選とどちらが得なのか、勾留されないこと、起訴されないこと、執行猶予がつくことの可能性はそれぞれ何パーセントなのか。」という要領を得たもので、5分くらいで手持ちぶさたになってしまいました。これまでの被疑者の方々とは、まったくタイプが違うので、ちょっと違和感がありましたが、これをして下さいとお願いしたことはすぐにやってくれましたし、報酬金は即日、気持ちよく払ってくれました。残念だったのは、酒に酔った上での事件だったので、彼が「細かい点は覚えていない。」と供述したのが、真摯な供述だったのでしょうが、検事は反省が足りないと考えたことです。結局、「検事の言うとおりに振る舞った方が、いいよ。」とアドバイスをしたのですが、真摯に供述すると反省していないっていうのは、何か変ですよね。もう一つ残念だったのは、勤務先は彼を辞めさせたくなかったようですが、彼の方で嫌気がさしていたのか、さっさと退職してしまったことです。確かに、彼との接見を見る限り、会社でも、きっと出来る男だったのだな、と思いました。
山崎・秋山法律事務所
弁護士 稲葉大和(57期)

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