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近 況 報 告(2006年10月30日)
最高裁判所での弁論とそれに基づく判決
 高裁判決を変更するときに、最高裁は弁論を開く必要があり、実際、最高裁が弁論を開くときは、高裁判決は変更されている。弁護士になってから、最高裁で弁論とそれに基づく原審の高裁判決を変更する判決を経験したことが、3事件ある。
 1つは、保険会社の保険約款に関する事件。2つは、名誉棄損事件。3つは、税務訴訟事件。最初の事件は、高裁で勝訴したのを最高裁で逆転敗訴した。あと2つの事件は、高裁で敗訴していたのを最高裁で逆転勝訴した。
 逆転勝訴と逆転敗訴を経験してみると、最高裁の存在の重みが分かる。まさに、最高裁が訴訟事件の最終判断権をもっていることが実感できる。しかも、弁論でも、判決でも、最高裁の場合には、当事者・代理人用控え室と法廷における待機の時間があり、しかも、法廷が静まり返っていて、地裁や高裁と異なる荘厳な雰囲気がある。それなりの緊張感を持つ場面ではある。
 この経験を通して、最高裁判所で「生きた法律」が作られているということが肌で感じられた。弁護士は、法曹人として、その「生きた法律」作りに参画し、そのことによる社会貢献をしている。そのことを実感した。
鳥飼総合法律事務所
弁護士 鳥飼重和(42期)

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